人気ブログランキング | 話題のタグを見る
髻中宝珠の八葉蓮華 {創価学会 仏壇}
lotussutra.exblog.jp
 「髻中宝珠の譬え(頂珠の譬え)」(安楽行品第十四) 創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge 創価仏壇

by hachiyorenge
カテゴリ
最新の記事
以前の記事
メモ帳
その他のジャンル
ブログパーツ
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
時が滲む朝・・・ 天風録 八葉蓮華
時が滲む朝・・・ 天風録 八葉蓮華
日本に住む伯父からの手紙に家族のカラー写真が添えられていた。「服がとてもきれい」。中国東北部、ハルビンの女子中学生、楊逸(ヤンイー)さんの胸はときめいた。夢は大学生の時にかなう。親類を頼って一九八七年、日本に留学する▲「人間が人間を食べるような資本主義社会」と中国では教わっていた。確かにバブルに沸く日本で、目に余る地上げもされていた。しかしそれ以上に自由と豊かさに目をみはる。だからこそ二年後、一時帰国した時に起きた天安門事件はショックだった▲挫折感が尾を引いた。あまつさえ離婚も体験する。中国語講師として働きながら「国とは」「生きるとは」との疑問が、ずっと心の底から離れなかった。それを年月をかけて昇華し、日本語で小説にしたのが「時が滲(にじ)む朝」。芥川賞に選ばれた▲「もう民主化を騒ぐ時代ではなくなったのよ。私だって中国のオリンピックの支持者だもの」。こんなせりふも出てくる。現実に合わせて妥協するかどうか。天安門後の激動の時代についていく人、いけない人の心のあやに光が当てられる▲二十三歳から習い始めた日本語。この言葉で書くことを「泳げないけど泳いでみる楽しみ」と感じるという。あえてうまくは泳げない水着を選んで試みる。それが楊さん流なのだろう。

天風録 中国新聞 2008年7月17日

八葉蓮華、Hachiyorenge
by hachiyorenge | 2008-07-17 01:01 | 天風録