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総理の座の軽さが増しただけ・・・ 正平調 八葉蓮華
2008年 09月 02日
総理の座の軽さが増しただけ・・・ 正平調 八葉蓮華
またも突然の退陣である。「いい加減にしてほしい」というのが国民の率直な印象だろう。きのう夜、福田首相が辞任を表明した。「私が続けるよりも新しい人に託した方がいい」。会見でそう繰り返した◆何が言いたかったのか。振り返ると、結局は民主党への恨み節ばかりだった。「審議の引き延ばしや拒否…」とその姿勢を批判、「何をするにも時間がかかった」。小沢代表については「虚心坦懐(たんかい)、胸襟を開いて話をする機会がもう少しあれば」と語った◆自分が首相でいる限り、民主党の強硬な対応は変わらない。ならば新しいリーダーの下で次の国会を迎えるのがいい。だから身を引くのだという。「今、政治的な駆け引きで政治の空白が生じることは許されない」と述べたが、その緊張した面もちと、醸し出すピリピリとした空気からは「もうこれ以上、我慢ならない」といういら立ちが強く感じられた◆会見後半、福田首相が声を荒らげた。「まるで人ごとのように聞こえるが」との質問が出た場面だ。「私はあなたと違って、自分を客観的に見ることができる」。最後に「お世話になりました」と頭を下げたが、後味の悪さが残る◆安倍前首相は昨年九月、所信表明の後、代表質問が始まる直前に辞任表明した。生活重視などと口にしながら、課題山積のまま総理の座を放り出した。福田首相は「安倍前首相は健康の問題」と違いを強調するが、今回も内閣改造直後で責任放棄という批判は免れない◆「総理の決断」という重みは感じられず、総理の座の軽さが増しただけだ。そして、振り出しに戻った。 正平調 神戸新聞 2008年9月2日 八葉蓮華、Hachiyorenge
by hachiyorenge
| 2008-09-02 20:05
| 正平調
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