髻中宝珠の八葉蓮華 {創価学会 仏壇}
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 「髻中宝珠の譬え(頂珠の譬え)」(安楽行品第十四) 創価学会 地球市民 planetary citizen 仏壇 八葉蓮華 hachiyorenge 創価仏壇
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農相のポスト、口蹄疫問題や農家の戸別所得補償と懸案が山積・・・ 日報抄 八葉蓮華
 歳時記の夏の項を開くと、高浜虚子の句があった。「柿の花こぼれて久し石の上」。柿が実を付けるのは秋だが、花は今の時季に咲く。淡黄色で小さな花である

 果樹は花が多いほど、実がたくさんなるともいう。「桃栗3年柿8年」。芽生えてから相応の年月を経なければ、果実を得ることはできないとの例えだ。「石の上にも3年」という言葉もある。突然の首相交代で「チャンス到来」と胸が高鳴った人もいたことだろう

 菅直人内閣が船出した。残念ながら、読み上げられた閣僚名簿に、本県選出議員の名前はなかった。2002年1月に田中真紀子外相が更迭されて以来だから、待つこと8年余り。今回も県人大臣の誕生はお預けになった

 最後まで人選で難航したのが、農相のポストだった。県人にはベテランで農政通の有資格者がおり、期待も膨らんでいた。だが、組閣前日の昼に「残念だが、あきらめてほしい」としかるべき筋から告げられたという。副大臣の昇格で一件落着である

 「柿が赤くなると医者が青くなる」という言い伝えもある。柿のように栄養がある自然の恵みを食べる時節は、人々が健康になり、病人も減る。医者は商売上がったりで、顔が青ざめてしまうという意味だ

 菅内閣はやたらと「脱」を掲げている。奥の院の実力者が青ざめるほどの刺激は避けるのが良策と配慮したのだろうか。新農相はその実力者に近い。真相はやぶの中だが、農相には、口蹄(こうてい)疫問題や農家の戸別所得補償と懸案が山積である。まずは仕事の果実を待つとしよう。

日報抄 新潟日報 2010年6月10日
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# by hachiyorenge | 2010-06-10 23:00 | 日報抄
国民が求めているのは「責任を果たす内閣」国民の信頼を失った末に・・・ 大自在 八葉蓮華
 首相官邸の敷地内に放送各社のテント村が出現し、刻刻と入閣情報を報じるというのが、組閣の際の定番だった。だが、小泉内閣の登場以来、組閣時の光景はすっかり様変わりした

 情報は一切漏らさず、独自に人事をすすめる小泉方式によって、テント村は不要となった。官房長官の初仕事といえば、閣僚名簿の発表だ。ところが、麻生内閣では首相が自ら名簿を読み上げた。それも一人一人のコメント付きで。麻生色を鮮明にしようとの狙いだったというが、意に反して色がさめるのは早かった

 で、菅内閣は。閣僚名簿の発表は、菅直人氏が首班指名を受けてから4日後のきのう。しかも、この間に新首相が入閣者を小出しに公表、おとといの夜までに新内閣17人の閣僚すべてが内定した。ために、あらためて顔ぶれを示されても新鮮味は感じないが、異例の組閣の流れに“脱小沢”の思惑がうかがえる

 閣僚名簿を読み上げた仙谷由人官房長官が、どんな内閣―と問われ、こう応じた。「若さと清新、仕事大好き内閣」と。平均年齢59歳。前内閣より1歳半の若返りだが、40歳代が4人に倍増したことで「若さと清新」は納得しよう

 が、「仕事大好き内閣」は気になった。新内閣といっても11人が再任組だ。仕事大好きがそんなに名を連ねていたのに、前内閣はなぜ8カ月半でとん挫したのか。いや、いまは船出の時。新たなリーダーを迎え、本来の仕事人が持ち味を発揮すると前向きにとらえよう

 前政権は国民の信頼を失った末に崩壊した。なぜ、支持率が急落したか。それは責任放棄と受け止められたからだ。国民が求めているのは「責任を果たす内閣」だ。組閣の光景が様変わりしても、である。

大自在 静岡新聞 2010年6月9日
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# by hachiyorenge | 2010-06-09 23:56 | 大自在
場当たり的な軽い言葉ばかり続けば、「聞く耳」など持てなくなってしまう・・・ 日報抄 八葉蓮華
 司法担当をしていたころ、取材の七つ道具の一つにラジオがあった。15年以上前のことだ。携帯電話の機能は限られていたから、屋外でニュースをキャッチする必需品だった。イヤホンから流れてくる放送は、深夜の孤独な張り込みを励ましてもくれた

 よく聞いたのがNHKの「ラジオ深夜便」だ。電波の向こうに、全国のさまざまな聞き手の顔がふと浮かぶ。「こんな真夜中に仕事をしているのは自分だけではない」。眠っているようで、息づいているまちの表情が感じられた

 作家の黒井千次さんはこの番組を題材に、短編「夜の友」を書いた。主人公は60歳を超えた男性。熟睡できない夜の時間と、寝室という空間を舞台に、「イヤホーンは闇の中の彼のもう一つの耳だった」とつづる

 今春、深夜便は20年の節目を迎えた。久しぶりにスイッチを入れてみると、なじみのメロディーが流れ、かつてと同じような語り口が聞こえた。長寿番組が多いのも、ラジオの特徴の一つだろう

 最近、このラジオを取り巻く環境が変わりつつある。インターネット上にリアルタイムでスタジオの動画を掲載し、注目を集める局もある。映像がないからこそのラジオという議論もあろうが、さらに楽しみ方が広がっていくに違いない

 「テレビは目が疲れるから」。喜寿を迎えた母は口癖のように言い、徐々にラジオを楽しむ時間を増やしている。風雲急を告げる政治も「見た目」より、声や文字の「言葉」の方が大事だ。場当たり的な軽い言葉ばかり続けば、「聞く耳」など持てなくなってしまう。

日報抄 新潟日報 2010年6月4日
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# by hachiyorenge | 2010-06-09 23:42 | 日報抄
あっちが得すりゃ こっちが損する。油断もスキもあるものか・・・ 滴一滴 八葉蓮華
 「こどもさん こどもさん 夢を上げよう。」と詩人石垣りんさんが「まぶたの下に」で書き出す。詩集「レモンとねずみ」(童話屋刊)に収まっている

 詩は続いて「おとなはきげん良く声をかける。気を付けなくちゃネ このごろはなんだって商売だ。国の政治も 持っているのはそろばん一丁。損得ずくでマツリゴトする。あっちが得すりゃ こっちが損する。油断もスキもあるものか。(略)」

 鳩山由紀夫首相が突然政権を投げ出し、あれよあれよという間に菅直人氏が新首相に選ばれた。政治空白は許されないともっともらしい理由付けをするが、間近に迫る参院選対策としてイメージ転換を狙ったことは間違いない

 民主党は野党時代、自民党政権下で首相が交代するたびに「無責任であり、民意無視の政権たらい回しだ」と批判してきた。今度は自分たちが非難される番だ。あれは野党時代だからと、言い逃れるようでは新政権の信頼を損なう

 首相の首をすげかえた結果、民主党の支持率は急上昇し、新首相への期待度も高い。国民の目をくらます戦法は奏功したようだが、有権者は、きょう発足する菅新内閣の力量を冷静に見極めることが大切だ

 選挙目当ての甘い公約に惑わされないようにしよう。「油断もスキもあるものか」である。

滴一滴 山陽新聞 2010年6月8日
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# by hachiyorenge | 2010-06-08 23:56 | 滴一滴
戦災復興の象徴でもあった花時計 記憶を伝えてこそ、平和の意味も心に響く・・・ 正平調 八葉蓮華
 神戸市役所の山側に、日本で最初の花時計がある。市民有志が市に寄贈した歴史を知る人は、もう少ないかもしれない

 市の計画に賛同する市民や企業が募金し、1957年4月に完成した。最新技術の粋を集めた直径6メートルの時計は珍しかったのだろう。官民協働の成果は評判を呼び、訪れる人が絶えなかったという

 そのころ、花時計は世界各国で建設が相次いだ。花時計に詳しい神戸市OBの矢木勉さんは「第2次世界大戦後の平和を享受する気持ちの表れでは」と分析する。それから半世紀を経て、今度は市民の側から、戦争の体験を後世に残す碑の計画が提案された

 戦時中、神戸で空襲に遭い、炎の海で命を奪われた人は8千人を超えるとみられる。その名前を調べ直し、記す刻銘碑の建立を「神戸空襲を記録する会」が市に要望した

 同会は空襲のシ没者名簿への登録を呼びかけ、30年余りで1194人分を集めた。その何倍ものシ者たちは、名前さえ分からないままだ。「戦争で何が起こるか、普通に暮らしていた人がどんな目に遭うか、この名前から想像してもらえる」。同会代表の中田政子さん(64)は、市との協働による碑の建立を期待し、募金活動などを考えている

 神戸が焦土と化した神戸大空襲から5日で65年となった。戦災復興の象徴でもあった花時計のそばに、刻銘碑を置けないだろうか。無念のシの記憶を伝えてこそ、平和の意味も心に響く。

 正平調 神戸新聞 2010年6月6日
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# by hachiyorenge | 2010-06-06 23:56 | 正平調
政治の世界は厳しいが、甘い。成果がなくても言い訳が利く・・・ 凡語 八葉蓮華
 東京工業大で応用物理学を学んだ菅直人氏は学生時代、マージャン点数計算機を発明した。特許も取り、試作品を企業に持ち込んだが売れず、起業の夢はあきらめた-とかつて若者たちに語っている

 セールス体験はしかし、政治家としての行動規範の礎になったという。「政治の世界は厳しいが、甘い。成果がなくても言い訳が利く」「ビジネスは違う。大きなことを言っても、1台も売れなければ誰も信用しない」

 その菅氏が言葉の責任を誰より問われる首相に決まった。市民活動から、3度の落選を経て政界入り。社会市民連合を振り出しに、非自民政権樹立を目指し33年かけて獲得した政権で、頂に立つ

 行動力が身上。厚相時代、薬ガイエイズ問題解決に自ら動いた。当時から官僚は「天敵」だ。著書の「大臣」(岩波書店)で、大臣就任会見の懇切丁寧なあいさつ文を渡された体験を「官僚が敷いた路線に乗る最初の罠(わな)」と苦々しく紹介している

 昨秋の政権交代を「官僚主権から真の国民主権への転換」と意気込んだ。しかし野党時代にさえた弁舌は湿りがち。天敵排除ばかりでは、政治主導が立ち行かぬもどかしさも痛感したことだろう

 決定間なしだが、実行なき甘言にしばらく目をつむる余裕は今、国民にない。草の根の魂とセールスマンの厳しさ、そして度量。持ち味に苦手克服の努力を加え、荒海を行く日本丸のかじを握ってほしい。

凡語 京都新聞 2010年6月5日
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# by hachiyorenge | 2010-06-05 23:56 | 凡語
「結果責任による辞任」言葉の軽さや判断力の欠如が命取り・・・ 大自在 八葉蓮華
 「日本の歴史が変わるという身震いのような感激と、強い責任を感じた」。こう切り出した就任会見からまだ8カ月半だというのに、鳩山由紀夫首相が退陣を表明した。内閣支持率は20%を割り込み、身内からは退陣を要求する声が噴き出したとあって、もはやこらえる術を失ったのだろう

 前日まで続投を思わせながらの退陣表明。ところが、市井の受け止めは驚きより「またか」であり、さめた感さえ漂っていた。無理もない。一国のリーダーの早期退陣は自公政権で慣れっこなのだ。首相の権威失墜である

 昨夏の衆院選で、民主党は歴史的な圧勝を収めた。きのうの退陣あいさつで、首相はその事実に触れ「国民の判断は間違っていなかった」と持ち上げた。だが、意に反しての支持率急降下は、不徳の致すところと付け加えながらも「国民が聞く耳を持たなくなってしまった」からだとした。責任転嫁であり、宰相としての見識が問われる発言だ

 「総理の辞め方」(本田雅俊著、PHP新書)によると、総理には「美しき辞任」「結果責任による辞任」など6通りの辞め方があるという。1956年、時の首相、鳩山一郎はソ連との国交が回復し、国連加盟が実現したのを見届け、官邸を後にした。「明鏡止水の心境だ」の言葉とともに。同著は「美しき辞任」の典型とした

 一郎の孫である現首相の場合は―。言葉の軽さや判断力の欠如が命取りになったのだから、「結果責任による辞任」となろうか。この辞任に該当するのは、力量不足や誤った判断で権力の座から降りた首相たちだというのだから

▼政局は新リーダー選出に向かって動き出した。「首相のいす」。それは重いものでなければならない。

大自在 静岡新聞 2010年6月3日
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# by hachiyorenge | 2010-06-03 23:56 | 大自在
その場しのぎとしか思えないような発言を繰り返し・・・ 滴一滴 八葉蓮華
 きのうは衣替えで、街の雰囲気は涼しげになった。職場では夏の軽装「クールビズ」も始まり、ネクタイを外して首回りが楽になった

 鳩山由紀夫首相は、どんな心境であの服を着たのだろう。沖縄の夏の正装「かりゆしウエア」で閣議に臨んだ。1週間ほど前に全閣僚が着用するよう決まっていたが、沖縄の人たちは複雑な思いで受け止めたはずだ

 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題をめぐり、首相は「最低でも県外」と強調してきた。しかし、そうはならなかった。期待を裏切られた南の島では、失望と怒りが渦巻いている

 一連の首相の迷走を見ていて、思い出したことがある。首相になる前に、ある人が「鳩山さんは子どものころ、けんかをしたことがありますか」と尋ねたら「ありません」と答えたという

 理由はいろいろ考えられる。名門の政治一家の生まれとあって、周囲が近寄りがたかったのかもしれない。育ちの良さから争い事を好まず、その場をうまく取り繕ってきた可能性もある

 おそらく後者ではないか。「私を信じてほしい」「腹案がある」。結果として、その場しのぎとしか思えないような発言を繰り返してきた。取り繕いが見透かされたら、誰からも信用されなくなる。高まる退陣論をかわし続けられるだろうか。

滴一滴 山陽新聞 2010年6月2日
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# by hachiyorenge | 2010-06-02 23:56 | 滴一滴
「麦の秋」春と盛夏の間にあたるこの季節は、自然が夏色に装いを変える・・・ 正平調 八葉蓮華
 季節は初夏なのに、今ごろの時期を「麦の秋」という。昨年の秋にまいた麦が黄金色の穂をたっぷり実らせるからだ

 兵庫県内には、西日本最大の大麦の産地がある。加古川市と稲美町にかけて広がる400ヘクタールの畑が収穫の最盛期を迎えた。一面の景色が「まるで金色の大海原」だと、本紙東播版が伝えていた。穂を揺らす風の中で深呼吸したくなる

 目を楽しませるのは麦畑だけではない。春と盛夏の間にあたるこの季節は、自然が夏色に装いを変える。姫路城の「千姫の小径(こみち)」では水辺のハナショウブが薄紫色の花を咲かせる。深紅や黄色などが鮮やかなバラも見ごろだ。さまざまな花便りが各地から届く

 きょうから6月。古名は「水無月(みなづき)」だが、もともとは水の豊かな月を意味する「水(みな)月」だったとの説がある。「田に水をたたえる月」ともされる。「麦の秋」が終われば梅雨はもう目の前だ。集中豪雨はごめんだが、恵みの雨なら降ってほしい

 米軍普天間飛行場移設の「辺野古回帰」で連立政権の一角が崩れ、政治は土砂降りの荒れ模様だ。気象庁は「非常に激しい雨」のことを「滝のように降る」と表現するが、内閣支持率は滝のように落下し、「首相辞任」の声が飛び交う

 政権は危険水域に突入した。政治の混乱は生活にも影響する。「6月を奇麗な風の吹くことよ」(正岡子規)。事態を収め、この句のように、新しい政治の風を一刻も早くと願う。

 正平調 神戸新聞 2010年6月1日
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# by hachiyorenge | 2010-06-01 23:56 | 正平調
清流を生み出している原生林が近年、環境の激変に悩まされている・・・ 凡語 八葉蓮華
 日本海に流れ込む由良川の最上流にある南丹市の美山川。全国でも知られた清流で、来月13日に待望のアユ漁が解禁される

 この清流を生み出しているのが芦生原生林。年間降水量は2300ミリ以上で、京都市内の約1・6倍にも達している。現在は一帯約4200ヘクタールを、京都大が研究林にし、半分は人手が入っていない天然林といわれる

 その原生林が近年、環境の激変に悩まされている。先日、地元の人に山中の写真を見せてもらった。かつては地面を覆っていたササがすっかりなくなり、地肌がむき出しになっていた。これでは、降った雨は十分に地中に吸い込まれることなく川に流れ込む

 長年、川面を見てきた美山漁協参事の寺坂進男さん(54)は「10年ほど前から水の濁りが目立つ。雨が、そのまま砂とともに上流から流れてくる」と心配する

 ササがなくなった原因として、地域の人たちが口をそろえるのが、シカによる食害。温暖化による雪の減少が影響し、シカが厳しい冬場を生き抜き急増しているとみられる。「シカは以前から一定数いたが、生存数のバランスが崩れたことが食害につながっている」と京大の森林研究者はみる

 2年前には美山川のアユが全国から集まった「清流めぐり利き鮎(あゆ)会」で準グランプリに輝いている。美山の清流を、アユを後世に引き継ぐためにも、温暖化につながる私たちの生活を点検しなければならない。

凡語 京都新聞 2010年5月31日
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# by hachiyorenge | 2010-05-31 23:56 | 凡語
さわやかな言葉で彩られる5月だが、今年はどうも様子が変・・・ 日報抄 八葉蓮華
 新緑、薫風、五月晴れ-。さわやかな言葉で彩られる5月だが、今年はどうも様子が変だ。各地で観測史上最高気温を更新したかと思えば、この月末は季節を巻き戻したような肌寒い日が続いた。下旬には西日本などで大雨の被害も出た

 陰陽道(おんみょうどう)で不吉な月とされる5月は、悪月(あくげつ)ともいう。朝から暗い話で気が引けるが、そんな別名を連想させる出来事も多かった

 宮崎県では、畜産農家が過去最悪の口蹄(こうてい)疫禍に泣かされた。後手に回った国や県の対応が事態を悪化させた。「今の気持ちを表現する言葉は、どこにも見当たらない…」。連日の殺処分に、獣医師が漏らした言葉が切ない

 不吉とくればカラスも絡む。期待されたトキのふ化がカラスの襲撃に阻まれた。「カラスは2羽で行動し1羽が脅かすなど陽動し、そのすきに卵を狙う」(永田尚志・新潟大准教授)。野生の掟(おきて)とはいえ、その悪知恵がうらめしい。国政でも普天間移設問題は「5月決着」に程遠かった

 国外に目を向ける。バンコクでは、治安部隊による反政府デモの強制排除で、銃撃戦が繰り返された。韓国海軍哨戒艦の沈没問題をめぐり、朝鮮半島の緊張も高まる。「同じ種族を組織的に餌食にする唯一の猛獣」。そう人間を表現したのはアメリカの哲学者ウィリアム・ジェームズだが、「猛獣」は時に同じ民族にも牙をむく。衝突と憎悪の悪循環を断ち切る知恵が欲しい

 予報では低温が少し続きそうだが、もうすぐ6月、衣替えである。重苦しい気分もろとも脱ぎ捨てて、福を呼び込みたい。

日報抄 新潟日報 2010年5月30日
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# by hachiyorenge | 2010-05-30 23:56 | 日報抄
「最低でも県外」揺れに揺れた末、結局現行計画とほぼ同じ場所・・・ 大自在 八葉蓮華
 「政治の基本は妥協である」という名言がある。ある面、千変万化で、とらえどころのない政治の本質を突いている言葉とも言える。とりわけ利害の異なる国同士が絡む交渉ごとは妥協なくして成立するはずもない

 自国の利益を念頭に置き、現実と向き合いながらギリギリのところで歩み寄る。政治とはそういうものだろう。日米両政府はきのう米軍普天間飛行場について、辺野古移設を明記した共同声明を発表した。鳩山由紀夫首相がこの1年やってきたことは何だったのか。名言が教える政治の基本とはかけ離れたものに映る

 普天間問題にかかわる首相の発言を時系列に追えば、一目瞭然だ。昨年7月の衆院選直前、「最低でも県外」と言って政権交代を実現し、沖縄県民の期待は一気に膨らんだ

 しかしオバマ大統領から現行計画の履行を迫られると「トラスト・ミー(信頼して)」とすり寄り、今年になって「辺野古埋め立ては自然への冒とく」「すべて県外は難しい」と揺れに揺れた末、結局現行計画とほぼ同じ場所を選択した。日米同盟の現実に向き合い、沖縄の負担軽減に身を削る交渉を重ねたならこんな場当たり発言は出てこなかったろう

 沖縄には在日米軍基地の7割強が集中している。沖縄の人々の苦しみに思いを寄せ、負担を減らしたいと願うのは誰しも同じだろう。健全な市民感覚と言ってもいい。ただし政治家がそれを言えば、重い政治責任が生じるのである

 「最低でも県外」と言った首相発言は、結果として希望的観測にすぎなかったことになる。辺野古移設に反対する福島瑞穂消費者・少子化担当相(社民党党首)を罷免した首相も、今度こそけじめをつけねばなるまい。

大自在 静岡新聞 2010年5月29日
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# by hachiyorenge | 2010-05-29 23:56 | 大自在
「背水の陣」自ら課した“公約”実現で追い詰められている・・・ 滴一滴 八葉蓮華
 「背水の陣」を冠した内閣があった。ほんの3年前、自公政権の時だ。参院選で与野党が逆転し、安倍政権が福田政権に代わった。自民党に対する国民の信頼が大きく揺らぐ中、危機感を抱いた福田康夫首相自らの命名だった

 出典は名句・名言の宝庫といわれる中国の古典「史記」である。「韓信の股くぐり」の故事でも知られる武将・韓信が、楚の将軍・項羽の配下から漢の将軍・劉邦の下へ移った後、趙との戦いでとった奇策だ

 兵力で劣る韓信の軍は川を背にして陣を敷いた。逃げ場がないという、通常はありえない兵法だが、迫る趙軍に韓信軍は必シで戦い、ついに勝利する。シ地に布陣することで、兵の力を最大限に引き出そうという韓信の狙いが当たったわけだ

 韓信はさらに項羽軍を破り、劉邦を天下統一へと導く。一方の「背水の陣内閣」はどうだったか。ねじれ国会に苦しんだ揚げ句、指揮官である福田首相は辞任した。そして昨夏の自公政権転落へ

 国会会期末と参院選を控え、鳩山政権は支持率低下にあえいでいる。きょう大詰めを迎える米軍普天間飛行場移設問題は、「最低でも県外」「5月末決着」などと自ら課した“公約”実現で追い詰められている

 それこそ背水の陣から局面打開を目指せるのか。鳩山首相に、その覚悟があるか。

滴一滴 山陽新聞 2010年5月28日
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# by hachiyorenge | 2010-05-28 23:56 | 滴一滴
米軍普天間「世界一危険な」飛行場移設先・・・ 正平調 八葉蓮華
 沖縄・辺野古の沖にある長島から北西を望むと澄んだ海が広がっている。リーフ(環礁)に当たる波が白くはじけ、浅瀬に模様を描く

 一帯は、サンゴ礁や藻場が広がり、国の天然記念物ジュゴンの生息地になっている。迷走の末に、鳩山首相が米軍普天間飛行場の移設先に決めたのが、キャンプ・シュワブ沿岸部に位置する辺野古崎である

 ジュゴンの保護運動をする名護市議の東恩納(ひがしおんな)琢磨さんは言う。「ここには、えさ場になる広大な浅瀬がまとまって存在する。豊かな自然とジュゴンが生きる環境を壊してもいいのですか」

 一方、14年前に返還が決まった普天間飛行場は、周りに学校や病院、住宅などが密集し、「世界一危険な飛行場」とも言われる。6年前には、米軍ヘリの墜落事故もあった。この基地の軍用機による事故は、年に2件を上回るペースで起きているそうだ

 基地に張りつくように、佐喜眞(さきま)美術館がある。丸木位里、俊夫妻が集団自決を描いた「沖縄戦の図」で知られる。かつての基地の一部が返還されて建てられた。平和な暮らしを求める沖縄の人々の願いが込められている

 移設先を「最低でも県外」としていた鳩山首相の言葉は、結局、ほごにされた。期限にこだわらず時間をかけて検討すべきとの声も沖縄で聞いた。辺野古の青い海と「沖縄戦の図」に向き合えば、誰でもそうした気持ちになる。じっくり考える時間はないのだろうか。

 正平調 神戸新聞 2010年5月27日
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# by hachiyorenge | 2010-05-27 23:56 | 正平調
総理の辞め方「明鏡止水」結果責任による辞任、流れに逆らえない辞任・・・ 凡語 八葉蓮華
 「明鏡止水(めいきょうしすい)の心境だ」と言い残して1956年に首相の座を降りたのは、鳩山一郎氏である。日ソ共同宣言で、国交正常化を成し遂げた直後のことだ。宣言によって抑留者の帰還や日本の国連加盟が決まった。言葉から達成感があふれる

 「荘子」の一節にある明鏡止水は、一点の曇りもない鏡や静止した水のように澄み切った様子だ。あの勝海舟が「氷川清話」で、政治や外交に臨む際の心構えとして引用した

 出処進退では鳩山氏のようにありたい。「総理の辞め方」(本田雅俊著、PHP研究所)は「美しき辞任」と評価する。しかし、ほかには「結果責任による辞任」や「流れに逆らえない辞任」など、よくないパターンもあるという

 「必ずやります。うそをつきません」としながら、政治改革関連法案の成立を断念した宮沢喜一氏は、発言の責任を問われて政権を明け渡した。辞め方としては、後者に分類されよう

 記憶に新しいのは安倍晋三氏だ。参院選惨敗後もしばらく居座ったが、結局は辞任した。「職を賭す」としていたインド洋での自衛隊給油活動の延長にも、めどをつけられなかった

 一郎氏の孫の由紀夫氏は、地元、米国、連立3党の合意による普天間問題の月内決着に職を賭したはずだ。明鏡止水の心境にあれば、「最低でも県外」としていた移設先を「できる限り県外」と言い換えられまい。祖父なら言おう。せめて潔く、と。

凡語 京都新聞 2010年5月26日
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# by hachiyorenge | 2010-05-26 23:56 | 凡語