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「たったひとつの命だから」生きているだけでまるもうけ・・・ 筆洗 中日春秋 八葉蓮華
2008年 12月 01日
「たったひとつの命だから」生きているだけでまるもうけ・・・ 筆洗 中日春秋 八葉蓮華
「たった一つの命だから」という言葉の後にあなたなら、どんな言葉をつなげますか。こんな問いかけを続けているグループがある。福岡県筑後市を拠点に、石川や長野両県などに支部を置く『ワンライフプロジェクト』である▼きっかけは二〇〇六年二月に、代表の冨田優子さんらが知人の紹介で、横浜市に住んでいた西尾誉佳(えいか)さんと出会ったこと。難病との闘いにより利き腕を失ったが、左手でその年の年賀状に「たった一つの命だから」と書いていた▼「私はね、右腕は失ったけどね、たった一つの命があるから」。十四歳だった少女は、命の尊さを口にしたという。無念にも翌年夏、この世を去ることになった▼冨田さん自身、自分の子どもが難病と闘った経験を持つ。少女の言葉が小さくてもいいから、命を見つめ直すきっかけになってほしい。こう願って、友人の主婦や学生たちと活動を開始した▼今までに世代を超えた千七百通以上のメッセージが集まり、三冊の本にもなった。題名はずばり『たったひとつの命だから』。つなげる言葉は「毎日楽しく笑え」「マイペースで生きる」「生きているだけでまるもうけ」「そっと優しく」「一人では生きていけない…」など、各人各様である▼重い問いかけだけに、軽々しくは答えられない。自分の人生に、思いを致した結果なのだろう。心に深く染みてくる。 筆洗 , 中日春秋 2008年12月1日 八葉蓮華、Hachiyorenge
by hachiyorenge
| 2008-12-01 13:38
| 筆洗/中日春秋
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